結論的に言えば、俺は彩が好きだ。
だから、いつも笑っていてほしい。
これ以上、俺が傷つけるような事はしたくない。
……なら、結果的に彩を応援するしか道は残されていないと思った。
俺が彩への想いを隠すことで傍にいれることが約束される。
……反対に、
彩の想いに反対して俺の想いを押し付ければ、俺は傍にいることさえ許されない。
──嫌だ。
そんなことは絶対に、死んでも嫌だった。
それなら自分の想いを一生飲み込んで、背中を押してあげよう。
──そうすれば、俺は彩のそばにいれる。
そんな手段、卑怯かもしれない。
でも、それでも傍にいたいんだ。
いたいんだよ──…。
「あれっ?
朝岡さんまだいたんですか?」
後ろを振り向けば、キョトンとこちらを見つめているチヒロの姿。
「…あっ、うん。
チヒロ、彩の家知ってる?」
「へっ?彩ちゃん家ですか?」
「うん、ちょっと忘れ物届けたくて。
前に近くまでは送った事あるんやけど……」
「あぁなるほど♪
えっと~…
彩ちゃん家は確かですねぇ……」
……適当な言い訳を思い付いて、チヒロに彩の家の場所を教えてもらった。
───ヴォン…!
ピアスが光るキーケースから車の鍵を取り出し、エンジンを入れる。
そのまま特に口実も考えず、すぐに彩の家へと向かった。



