時計はいつの間にか夕刻を差し、あっという間に部活の終了時間になってしまった。
「さぁて。
今日はここまでにしよか♪」
俺がそう言うと、部員全員で後片付けが始まる。
ワイワイガヤガヤ、お喋りしながら俺は朱く染まる窓を見つめた。
────…早かったな…。
彩といると何でも過ぎる時間が早い。
「…………」
彩はまだ深い溜め息を吐きながら、とぼとぼと更衣室へと消えてしまった。
「…………?」
……どうしたんやろ?
──その時だった。
「ねぇーアミ、ぶんちゃんと連絡つながった?」
チヒロがそう言うと、アミは軽く首を横に振る。
「んーん、繋がんない!
またリエ絡みなんじゃないの?」
……リエ?
「リエってぶんの彼女じゃなかった?」
俺がチヒロとアミの会話に入ると、チヒロはコクンと頷いて。
「そーですよ!!
何かぶんちゃんとリエ、最近ヤバいらしいんですよね。」
「は?ヤバいって?」
「だからね、朝岡さん!!
二人は今険悪ムードなんですよぉ!!!!」
「………えっ……?」
チヒロの言った事が、
俺はすぐさま理解できなかった。
だって……
「だって最近二人で仲良う帰ってるとこ俺見たで?」
──そう。
この間確かに俺は二人の背中を見送った。
「いやぁそれが色々あったみたいですよー。
ぶんちゃん、時々抜け出しては話しに行ったりしてますからね。
今日もそうじゃないですかね?」
「……ふぅん……」
大変やなぁ、ぶんも。
俺はあまり深くは考えず、ただ漠然とそう思い彩の元へ向かった。
──更衣室前。
ちょうど彩が部室のドアから出て来た。
「彩、お疲れー。」
「あ……れ……?
朝岡さん?」
驚いた彩に俺は笑って近づく。
「家近いから一緒に帰らん?
送ってくで♪」
「…へっ……?」
……ほんまはまだ一緒にいたいからやけどな。
それに──…
「また危ない目遭ったら嫌やからさ。」
………これもほんまやけど。
よくこんなに口実が思い浮かぶなぁと自分に呆れて笑った。



