「……彩……」
「へへっ…
何か言い方変だったね。
あたしってば変なの……」
そう言って彩は表情を隠すかのように、また窓の外を見つめた。
「…………」
……そんな……
悲しい顔すんなよ──…。
──彩……
この時の俺はまだ、これっぽっちも分かっていなかった。
彩が抱く苦しみも
何故そんな悲しくも切ない表情をするのかも…
でもそれは
その理由は
わずか数分後に全て俺は悟ることになる。
知りたくなかった
知らなければよかった
彩が
誰を想っているのかなんて
なぁ彩
俺が何も知らずに、
ただ純粋に君を想って笑えたのはここまでだった。
……今でも振り返れば、
切なくて
苦しくて
どうしようもなくてたまらない。
……どうしてそれでも
俺は君を追いかけてしまったんだろう
蝶のように飛ぶ君を



