「すごいな……
むっちゃ上手いやん…」
それはお世辞ではなく、
上辺の言葉でもなく。
心から純粋に生まれた言葉の感想で。
言葉には出来ない微妙な感情を、俺は表現出来ずに──…。
ありきたりな言葉や、
聞き慣れた言葉で表現するのが申し訳ないくらいの出来映えだった。
「……ありがとっ♪」
彩は今まで見せた笑顔の中でも類にない、照れた表情を俺に見せた。
──正直な所……
彩にこんな能力があったなんて驚きの連続だったし。
知るたびに良い意味で裏切られるのには、ますます知りたい衝動に駆られた。
新しく見せる表情に、
新しく見せる笑顔に、
だんだん、俺の心に君が刻まれていく。
どんどん、俺の記憶に降り積もっていく。
───そのたびに、
俺は君を好きになっていく。
………なぁ。
気付いたんだよ。
俺はただ好きじゃないんだ。
可愛いからだけじゃないんだよ。
君の中身が俺を惹きつけて止まないんだ。
──その他人を惹きつける能力は一体どこから来るんだ?
少なくとも俺には。
彩が、誘惑を振り撒く蝶に見えて仕方がなかった。
「…………ふっ……」
……ほらまた君にしか出せない笑顔が生まれる。
──もう失望するよ。
だって本来の自分を失うくらい、こんなにも君に夢中なんだから。
不可抗力なんだよ。
───君には。



