彩がおもむろに取り出したのは、一枚の紙だった。
…………?
俺は何か分からなくて首を傾げる。
───…すると……
「───あげるっ♪」
彩はそう言って、スッと俺にその紙を差し出した。
「……えっ……?」
受け取って、思わず驚きの声を上げてしまった。
───そこには………
青く澄んだ深い海の底。
海に散る、泡の雪。
一枚の紙の中を泳ぐ、一匹の青いイルカ。
海藻が漂い、岩が、貝が、海の臨場感をしっかり引き立たせている。
「──…これ………
彩が描いたん……?」
そう尋ねると、
彩は変わらない笑顔でニッコリ頷いた。



