みんなが着替えを終え、部室にはザワザワと楽しそうな部員のお喋りが続く。
………あれ……?
そこでふと、いつもの締める人物がいない事に気が付いた。
「ぶんちゃん、今日は来ないね~。」
チヒロの声が部室に響き、俺はそこでやっとぶんがいない事に気付いた。
……珍しいな……。
俺が知る限り、ぶんはあまり休むような奴じゃなかったし。
……体調でも壊したんやろか……?
「まぁまぁ。
今日は俺がぶんの代わりに練習見たるやん♪」
……俺は明るく言い放った。
ぶんの分まで、全員の音合わせ見てやろう。
少なくとも、それやったら今日来た意味あるし。
「さっすが朝岡さん♪
今日呼んで正解でしたよ♪」
チヒロの声に笑顔を返し、俺は彩を見た。
「…………」
──夏風がそよぐ窓辺。
彩は肘を付いて、寂しそうに外の景色を見つめていた。
その姿が哀しいくらい切なくて、綺麗で。
「───………」
俺は刹那に、彩に引き込まれてしまった。



