“彩に会える”。
そう思って起きた瞬間から、胸が騒いで妙に息苦しくて。
いつもより早くも遅くも感じる不思議な時間の感覚に、体がむず痒くて。
シャワーを浴びて、香水を軽く馴染ませ、待ちきれずに家を飛び出した。
───いつしか季節は夏になっていた。
容赦なく降り注ぐ太陽の光が熱く眩しい。
「……あっつ……」
尋常じゃない、何この暑さ。
でも夏は好きだ。
夏になると、何とも言えない明るさで楽しい気分になるから。
……まぁ、汗だくになるのが嫌っちゃあ嫌やけど。
そんな夏特有の暑さの中、俺は歌を口ずさみながら車を走らせた。
──…だいぶ前に吾郎が教えてくれたっけ。
──『純はさ、ウキウキしたりワクワクすると笑いながら歌を口ずさむ癖があるよな』
…………
その言葉を思い出し、ミラーで自分を見て吹きそうになった。
──…まさにその通りだと言いたくなった。
なぜなら、
鏡の中から自分がこれでもかという笑顔でこちらを見つめていたからだ。



