音合わせをして、気に入らない箇所を修正、アレンジし直して。
ついでに壱、マリア、吾郎の演奏で気になった部分に軽く口出しして。
「よし、お疲れー!」
…今日も、一日の内で一番楽しみにしている時間が終わった。
そのままバイトへと向かい、働きまくって一日を終わらせて。
早めにバイトを切り上げ、車に乗り込み帰ろうかとエンジンを掛けた瞬間──…。
────♪♪…♪…
静かな車内に着信音が鳴り響いて、俺はケータイに目を向けた。
───…チカか…?
けれど着信相手を見てビックリ。
「………え?」
予想してた相手ではなく、思いがけない名前がディスプレイに表示されて度肝を抜いた。
───…彩……?
………ドクン……
驚きと嬉しさと戸惑いと──…
様々な感情が一気に胸に舞い込み、俺はゴクリと固唾を飲み込んだ。



