鮮やかなブラウンに光るショートカット。
切れ長の、何もかもを見通すような漆黒の瞳。
白くて透明感溢れる肌。
胸にキラリと光る十字架が朝日と重なる。
「……何みんなして整列してんの…」
そいつは少し低い声を出して俺らをまじまじと見つめた。
───…皐月 マリア。
“一匹狼”という言葉がピッタリ当てはまる、我等の殿方。
大人びた顔に、人に媚びないクールな性格。
誰もが振り返る美貌の持ち主なのに、本人はあんまり気にしていない。
最近中型バイクの免許を取ったマリアは、愛車のバイクを乗ってここで俺達と合流する。
「──…ちょっとだけ一服していい?」
そう言って、マリアは黒い革ジャンから煙草を取り出した。



