イジワルな君でも。

チュンチュン…
「みあ。朝だよ!起きて!」
朝日の光と鳥の声、お母さんの声で目が覚めた。
「んん…お母さん。今起きるって…。」
そう言って、ベッドから立ち上がって今日の準備を始める。
「今日も私ってブサイクだなぁ…」とそんなことを口走りながら
髪の毛のセットや、着替えを終えた頃には6時30分を過ぎていた。
「みあ、ご飯出来てるよ。ほら、食べて!」
今日もお母さんのご飯は美味しそうだなぁ…、本当に幸せだ。

ピンポーン…

お母さんがインターホンに向かう前に私が遮った。
「あっ。愛菜ちゃんかな?お母さんは座ってて。今インターホン出るから!」
駆け足でインターホンに向かい、応答する。
「はーい。」
「あ、みあ?愛菜だよ、愛菜!迎えに来たよー!」
「今出るね!待ってて!」
愛菜ちゃんは、中学の時は学年トップクラスの成績。
しかも、私と違ってすごく美人さん。色んな男の子からモテているし、
とっても羨ましい。そして、羨む気持ちと共に親友として尊敬している。
「私も愛菜ちゃんみたいな子に生まれてみたかったよぉー…。」
そんなことを言いながら、家を出た。
「みあ。おはよー!今日は入学式だね。張り切っていこー!」
そう、今日は星源高校の入学式。
まさか…名門校、星源高校に入学出来るなんて夢見たいだよ。
なんて、そんな事を考えながら2人で歩いていたら、愛菜ちゃんが口を開いた。
「みあ…あの人だかり、なんだと思う?」
愛菜ちゃんがそう言って、指を指した。
指を指した方を見ると、誰かが女の子に囲まれてるみたいだった。
「うーん…。分からないな。試しに行ってみようよ。」
愛菜ちゃんが目をキラキラしながら頷いてくれたので、近づいてみることにした。