〇校門前

 帰り道が朝灯だけ逆方向で、校門前で別れることになった。

 朝灯は帰る前に美恋の手をとる。


 朝灯「正直、こんな見た目だと恋愛対象として見てもらえないかもって不安はあったけど、やっぱり先輩は誰に対しても優しく接することのできる誠実(せいじつ)な人ですね」

 朝灯「先輩を好きになって正解だったって思いました」


 朝灯はにっこり笑って耳に口を寄せてきた。


 朝灯「もっと時間をかけて仲良くなるつもりだったんですけど、岩船先輩のせいで気持ちもバレちゃいましたし、これからは……もっと積極的にアピールするつもりなので、よろしくお願いしますね?」

 美恋「!?」


 突然の宣言に赤くなる美恋。
 満足そうな朝灯はそのまま手を振って帰っていった。