君との恋は面倒すぎる

 そのまま着いて行き、家に着き真っ直ぐ蒼空くんの部屋に通された。

 普通の一戸建てのお家で、ご両親は居ない。

 聞く所によると共働きらしく夜まで帰ってこないらしい。

 飲み物を入れに部屋を出ていった蒼空くん。

 部屋の中は凄くシンプルで無駄なものが1つもない。部屋の中にあるのも、勉強デスクと、ベッドと床に座って使うテーブル。それと教科書や辞書、本を入れている棚。

 そこに中学の引退で貰ったのかバスケ部からの寄せ書きが飾られている。

 蒼空くんらしいシンプルで綺麗な部屋に、なんだか感動する。

 あまり歩き回らない様にして、床に座って待っていると冷たいお茶を持った蒼空くんが戻ってきてテーブルに置いてくれる。

 その向かいに蒼空くんが座る。


「ありがとう」

「うん」


 そんな会話の後、少し無言の時間が流れた。

 その後「昨日のは…」と静かに話し始める。
 その声に反応をして蒼空くんの方を向くと、少し気まずそうな表情をしている。


「完全に俺の嫉妬。それからどんな顔していいか分からなくて連絡も返せなかった。ごめん」


 蒼空くんの言葉に首を横に振った。

 普通に考えたら嫌に決まってる。
 きっと私だって同じことが起きたらモヤモヤしたと思う。

 蒼空くんがそんな気持ちになるなんて思わなかった。
 気にしないってそんな事すら勝手に思っていた。

 嫉妬だとはっきり言葉にして、蒼空くんが悪いわけじゃないのに謝ってくれたことに胸が締め付けられる。

 それと同時に嬉しかった。蒼空くんは私の事に無関心なんかじゃなかったと。


「私もごめんね、蒼空くんの気持ち考えられてなかったね」


 そう謝罪をすると蒼空くんも首を横に振った。

 仲直りが出来た事に2人の空気感が少し和んで、こういう時に余計な事を言ってしまうのがまた私だった。


「蒼空くん、意外と私の事大好きだよね」


 そう言って揶揄う様に笑い掛けると、蒼空くんは少しだけ驚いた表情したかと思えばすぐにいつもの表情に戻って「自覚無いの?」と呟いて、向かいから私の隣に座り直す。