君との恋は面倒すぎる

「で、でも…。薫くん」

「…ねぇ、このまま見ても進展ないよ。いいの?知らない間に自然消滅とかになっても」


 紗月にそう言われて言葉に詰まる。

 すごく嫌、だけど有り得そう。
 現段階では眺めているだけで何の進展もないし、危機感を感じる。


「か、顔変じゃない!?」

「大丈夫、クマも吹っ飛ぶくらい可愛いから自信持ちなさい」


 紗月に頭を撫でられて、うんと頷く。

 お世辞でもなんでも紗月に言われると自信が出てくる。
 そんな勇気付けてくれる紗月に思いきり抱き着いた。


「紗月、大好き!」

「ほら、早く行ってきな」


 蒼空くんの元に近寄ると、既に薫くんもいる。

 邪魔しちゃうかな…。と、既に尻込みしていると紗月が「薫」と声を掛ける。


「え?」


 紗月は薫くんの肩を掴む。


「あんたに用事あるから面貸して」

「は?紗月?普段話しかけてくるなって言うくせに」

「今日は緊急事態。黙って着いてきて」


 そう言って「はあ?」と怪訝な表情をする薫くんを連れ出して私の方にうんと頷く。

 紗月、気遣って連れ出してくれたんだ。

 薫くんと紗月は保育園、小学校が同じの幼馴染らしい。目立つ薫くんとは高校で関わらないって決めていたけれど、私のために今回は薫くんを引き留めてくれた。

 蒼空くんと私がその場で取り残されて、少し気まずい。

 連れられた薫くんの方を見ている蒼空くんに勇気を出し「…あ、あの」と、声を掛けると蒼空くんは目線をこちらに移す。