君との恋は面倒すぎる

「柊くんいつ来るかわからないんだから居なよ。待ってて、すぐ戻ってくるから」


 そう言いながら教室を出ていく。

 2人残された私と薫くん。

 ふと2人で顔を見合わせて今でもやっぱり少し気まずくなる。それは薫くんも変わらないようで目をそらしていた。


「ごめん、日和ちゃんにそんな顔させたかったわけじゃないんだけど」

「…ううん。何か、まだ変に意識しちゃってごめん」


 意識と言っても好きとそういうわけではなくて、私の事好きって言ってくれてたんだよねってそういう目でまだ見てしまっている。

 私がこんなんじゃだめだってわかっているけど、完全に元に戻るにはまだ時間が必要だった。


「俺、日和ちゃん好きだけどさ、友達じゃなくなるのはもっと嫌だし、それに蒼空の事も大事だし。どうしたら良いか悩んでたんだ」

「…うん」

「言わなきゃ蒼空とは問題なく友達で居れたと思うし、それでも紗月が友達の為だから自分の気持ち押し殺すのも違うくない?って言ってくれて、それで伝えようって思った」


 紗月の名前が出てきて驚いた。

 紗月はもしかしたら薫くんと私を話をさせるために、二人にしてくれたのだと、ようやく気付いた。

 紗月とは長い期間、ずっと一緒に居るから考えも何となく読めてしまう。彼女なりの私と薫くんに対する思いやりだと。

 紗月にとっては薫くんも同じように変わらず大事な友人で幼馴染みで、私と話して少しでも気持ちに整理をつけさせたかったのではないかと。

 気持ちに整理がつかないと良好な関係なんてできないから。