君との恋は面倒すぎる

「本当は、蒼空くんからの好きが聞きたいなって思う事とかもたくさんあるし、我儘言えばもっと一緒に出かけたり話したりもしたいけど、今はちゃんとこの距離感で少しずつ進むのが良いっていうのも分かってるよ」


 私も言葉下手だけど、伝えたい気持ちをなんとか言葉にした。

 少しずつでも向き合おうとしてくれている不器用で優しい蒼空くんが私は好きだ。だから離れたりなんて、愛想尽かしたりなんか絶対しない。

 私の言葉を聞いた蒼空くんはふと優しい表情をすると、私の目を見つめ返してくれる。

 それだけで甘ったるくて少し焦れったい雰囲気を漂わせる。


「好きだよ」


 夕陽が差し込む静かな教室で、彼の静かな声が響いた。

 初めて聞く蒼空くんの好きという言葉。

 このタイミングで名前呼びも好きって言葉も貰えるなんて思っていなくて、目を見開いた後思わず涙がこぼれた。

 自分ばかり好きなんじゃないかとか、でも好きだからそれでもいいやと思ってきたのに、きちんと同じ気持ちで居てくれた事が嬉しかった。


「何ですぐ泣くの、泣き虫」


 そう言いながら私の頬に流れている涙を拭う。

 ずっと聞きたかった言葉に、感情があふれ出しては止まらなかった。


「このタイミングで名前呼びも、好きもずるい~!」


 私の言葉に笑って、優しく頬を両手で包んでくれる。


「俺の事も蒼空でいいよ」

「…それは私が緊張で死んじゃいそう」


 普段クールなのに時々甘くなって、振り回されて私の彼氏は本当に面倒くさい。