君との恋は面倒すぎる

「…まだ時間あるし、出店回る?」

「うん、行こう」


そう返事をすると蒼空くんは私の手を取って繋いでくれた。


「え」

「はぐれたら困る。」


手を繋ぐのがもう当たり前みたいにしてくれる。

蒼空くんが積極的にこうしてくれるから、あの日帰りに手を繋ぎたいって言った意味ちゃんとあったって思える。

昨年の今頃とか、ずっと蒼空くんと来たいって憧れるだけだったのに、今年は一緒に浴衣着て手を繋いで回ってる。

恋人同士で出掛けたり、特別なことが出来るのがこんなに幸せなんて知らなかった。

隣でゆっくり歩いてくれる蒼空くんを盗み見る。

横顔ですらこんなに格好いいの何。


「何かしたいこととか無いの。」


ふと話しかけてくる蒼空くんと目が合うと驚いた顔をして、すぐに少し照れたような表情になる。


「…見すぎ」


付き合いたてには分からなかったけど、今は自惚れたくなるくらいに蒼空くんが私を好きだって顔をしてくれてるような気がして、見逃したくない。