「で、でも…。薫くん」

「…ねぇ、このまま見ても進展ないよ。いいの?知らない間に自然消滅とかになっても」


紗月にそう言われて言葉に詰まる。

すごく嫌、だけど有り得そう。


「か、顔変じゃない!?」

「大丈夫、クマも吹っ飛ぶくらい可愛いから自信持ちなさい」


紗月に頭を撫でられて、うんと頷く。

お世辞でもなんでも紗月に言われると自信が出てくる。


「紗月、大好き!」

「ほら、早く行ってきな」


蒼空くんの元に近寄ると、既に薫くんもいる。

邪魔しちゃうかな…。

そう考えていると紗月が「薫」と声を掛ける。