君との恋は面倒すぎる

「昼の時間は俺と七瀬の時間だから」

「え」


 その発言で顔が真っ赤になる私と、「ほら、邪魔しないの」と止める紗月。

 薫くんと蒼空くんは何やら睨み合っている。
 さっきまで仲良かったのに、なぜそんな険悪な空気感になっているのかわからない。

 蒼空くんがこんな風に言うのも珍しい。
 普段だったら多分「別にいいけど」って言っていると思う。

 私との時間を大事にしてくれている発言に嬉しいのもあったけど、違和感の方が強かった。私の知らない間に2人に何かが起きている。





𓂃꙳⋆⭐︎





 お昼休み、いつも通りお弁当を食べてくれる蒼空くんの顔を眺める。

 そんな私の視線が少しやりづらく感じたのか、軽く息を吐いてこちらを見た。


「…何」

「薫くんと何かあった?」


 薫くんの名前を出すと、少しだけ顔の表情が動いた気がする。

 感情が激しく動く方じゃないから、こういうのも見逃す訳にはいかない。

 顔の表情を読み取れたからって蒼空くんのすべてを理解できるとは当然思っていないけれど、嘘を吐いているかどうかくらいは読み取れるはずだ。


「別に何も」

「……」


 明らかに何かを隠している蒼空くんに私のジトーっとした視線を向けると、やりにくそうにしている。

 最近少しずつだけど蒼空くんの事を分かってきていて、嘘を吐いている時とかも何となくわかる様になってきた。


「喧嘩、しちゃったの?」

「…ある意味そうかもね」


 そう呟いてそれ以上は話そうとしない。

 喧嘩したなら仲直りしてほしいし、何かできることは無いか考えてしまう。

 これ以上蒼空くんは何かを話しそうにはないし、薫くんを捕まえて何があったのか聞きだそうなんて、蒼空くんには決して言えないそんな決意を胸に、お弁当のおかずを口に運び込んでいた。