君との恋は面倒すぎる

 少し呆れる紗月に気にせず話し続ける。


「今日から学校でも積極的に話そうと思って!」

「いや、付き合って4ヶ月くらい経つのにまだその域なの?」


 そう話していると、後ろのドアから入ってきた蒼空くん。

 1週間ぶりの蒼空くん…!

 見るだけでうれしくなり、急いで蒼空くんのところに駆け寄る。


「おはよう!蒼空くん!」


 挨拶をした私に少し驚いた顔をした後、またいつものポーカーフェイスに戻って「…おはよ」と言って横を通り抜けられていく。

 挨拶返してくれた…!なんて、それだけでも私は喜べてしまう。当たり前に挨拶できるようになったことが進歩なのだ。


「え、彼女が朝から可愛く挨拶してんのにあれまじ?蒼空」


 蒼空くんの後ろから入ってきた薫くんが苦笑いしながら言う。

 そんな薫くんの発言に蒼空くんはスルーしており、私は首を傾げる。


「え?挨拶返してくれたよ?」

「その反応もまじか」


 今まで朝に挨拶なんて出来なかったから朝から声を掛けれただけで今日1日頑張れちゃうくらいなんですけど!?

 蒼空くんが冷たい人みたいな言い方されるのも納得がいかない。

 何とか話を逸らそうと違う話題を振る。


「そう言えば、薫くんは夏休み何してたの?」

「俺?あー…」


 何かを考えている様子を見せた後、ニッと白い歯を見せた笑顔をこちらに向けてくる。


「日和ちゃんの事考えてた」

「…え?」

「なーんちゃって!本気にした?」


 あまりにも自然に言うから真に受けそうになった。

 揶揄われた悔しさで思わずムッとなる。


「…本気になんてしてないし」

「本当かなあ」


 笑いながら揶揄ってくる薫くんを軽く叩いた後、席に戻る。

 何さ!あんな意地悪みたいなん言ってきて!
 本当に騙されてないし!

 悔しさで机に突っ伏し、顔の熱を冷まそうとした。
 だまされたことが恥ずかしくてしばらく顔を上げられなかった。