君との恋は面倒すぎる

「…こんなん嬉しくて食べられない…」

「いや普通に食べてほしくて買ったから、食べて」


 ツッコミを受けながらも大事に抱える。

 ぶらっと出店を見て回った後、花火を見る場所は混むからと少し離れて神社の方に来た。


「花火見たいのに近くなくていいの?」

「蒼空くん人混み苦手でしょ」

「…そうだけど」

「それに遠くから見ても花火は綺麗だから」


 そう言いながら歩き目的地まで到着すると、案の定誰もいなかった。

 階段を登りきって、そのまま一番上の段に座る。


「今日薫くんも紗月と見に来てるんだよ」

「へー、あの2人そんな関係なの?」

「分からないけど、今日誘いに来てた」


 そう答えると蒼空くんは少し驚いた顔でこちらを見る。


「何でそんな事知ってんの」


 そっか、紗月の家で薫くんに会った事話してなかった。


「今日浴衣紗月の家で着せてもらってね、ちょうど出る前に薫くんが来て会ったんだ。薫くん絶対紗月の事好きだよね」


 そう答えると蒼空くんは「へー」と興味も無さそうにつぶやいていた。興味がないどころか、少し機嫌すら悪く見える、

 そんな彼の態度に不安になった。


「蒼空くん?」

「何」


 冷たい言い方がまた付き合う前に戻った様なそんな感じ。

 何か私怒らせることしたの。


「…なんか怒ってる?」

「怒ってない」


 怒ってないと言いながらもその口調がもう既に怒っている。

 またこうしてよくわからない蒼空くんが顔を出す。
 何もわからないから対処の仕方すらわからない。