君との恋は面倒すぎる

「気持ち悪いこと言わないでよ、それに薫は…」


 何か言おうとして口を噤む。


「紗月?」

「なんでもない、ほら柊くんに連絡してみたら」


 そう言われてスマホを取り出す。

 蒼空くんとは相変わらずメッセージのやり取りは多くない。

 もう少し話したいなとか思うけど連絡帰って来るのそんなに早くないし、取り合うのが好きじゃないのかもと思えてくる。

 それでも空いた時間になのか時々返してくれ、やり取りは続いてはいるけれどかなり少ない頻度だ。

 どう送ろうか悩んだが、シンプルに一言だけ«花火大会の日、予定ある?»とそれだけ連絡を入れておいた。

 まだ何も決まってないと良いんだけど。
 夏休みだし、もしかしたら旅行とか行くかもだよね。

 相手の予定をいろいろ考えるも、とにかくおとなしく返事を待つ。


「学祭の時は本当に心配してたの。日和だけが追い求めすぎてて蒼空くんに大事にされてないんじゃないかって」


 突然そう話し出す紗月の顔を見る。

 深刻そうな表情でそう話していて、それから少し苦笑いをした。


「でも学祭で一緒に過ごせた話とかそういうの聞いて私の心配やっぱいらなかったなって思った。日和の選んだ人だし、心配なんてそもそもだったよね」


 紗月もたくさん色々考えてくれて、心配してくれていた。

 その気持ちが嬉しいのにいらないなんて言わないでほしかった。紗月の気持ちを本人にすら否定してほしくなかった。


「いらなくない、紗月のそういう優しい所大好きだから。嬉しい、その気持ち」


 そう言って手を握ると紗月は少し驚いた表情したけどすぐに優しい表情をして握り返してくれた。


「なんかわかるな、日和を好きになる理由が。私も男だったら日和みたいな子がいいよ」

「紗月が男子はイケメンすぎてときめくから無理」

「バカじゃないの」


 2人でそんなバカな話をして笑う。

 でもきっと同性じゃなきゃ親友としてこんな近くに居れなかったなって思うから、やっぱり紗月と女の子同士で良かったって思うよ。