君との恋は面倒すぎる

 メイクは社会人になったらマナーだなんて言われるのに学校でさせてくれないのだから、そんな理不尽な事ある?と思ってしまう。

 何はともあれ、自分のコンディションを整えられなかったのは私が一番悪いに決まっているけれど。

 今日はまた眺めてるだけの日にしよう。そう諦めて扉を開けて入ってくる蒼空くんを見つける。


(今日も格好良すぎる…)


 周りより大人っぽくてクールだけどそこがまた好きなところで、ずっと見てられる。

 冷たく感じても、実際話してみたら普通に優しい人なんだけれど、それはまわりにはなかなか理解されない。優しいのを知っている人が少ないと思えば、周りよりも少しだけ近くに居れた気分になるので、誰も気付かなくていいと思っている私もいる。

 あの人が本当に彼氏?夢?未だに信じられなくて、夢かなんて何度も疑っては自分で頬を抓った。

 こんな顔じゃなきゃなあ。せめて今日はしっかり寝て明日またおはよって声かけに行く所から始めよう。

 中学も一緒だったから、近くに居たら自然に言えたのだけどわざわざ近くに寄って言いに行ったことはない。

 今までは彼女でも何でもなかったから、話しかけに行ってうざいとか思われたくもなかったし、どこか推しとファンの距離感で彼を見ていた。