君との恋は面倒すぎる

 いろいろあった学校祭も終わり、後片付けをしていた。

 夏の大イベント終わっちゃって寂しいけど楽しかった。
 蒼空くんと一緒に回れて、相変わらず表情はポーカーフェイスだけどずっと手繋いでくれていたし…と、思い出すだけで顔が熱くなる。

 今日一緒に帰れるかな。

 そんなことを考えゴミ箱を持ちながら、焼却炉に向かう。


「日和ちゃん!」


 後ろから声を掛けられて振り向くと、薫くんがいた。


「俺も押し付けられちゃった。一緒に行こ」


 段ボールを持って隣に並んでくる薫くんに頷き、歩幅を合わせ歩く。


「良かったね、蒼空と回れて」

「薫くんと紗月のおかげだよ。ありがとう」

「頑張ったのは日和ちゃんじゃん、頑張ったね」


 笑いかけてくれる薫くんに少し照れくさくなる。
 2人が助けてくれなければこんなに幸せな学校祭は過ごせていなかったと思う。

 それに蒼空くんも歩み寄ってくれたし、すごく良い日だった。


「蒼空くんも歩み寄ってきてくれてね、今日本当色々嬉しかった」


 そう言うと薫くんは優しく微笑んで「そっか」と話を聞いてくれる。

 最初は怖いなって思ってたけど、よく知れば知るほどすごくいい人だと思う。


「薫くんっていい人だよね」

「は?」


 私の言葉が予想外だったのか随分驚いた顔をしている。

 そんな顔がなんだか面白くて笑ってしまう。

 こんなに仲良くなれて嬉しい。


「いい人とかそんなんじゃないよ」


 そう呟いた声は私には聞こえていなかった。