君との恋は面倒すぎる

「ちゃんと聞いてたんだけど、でもこれ以上に嬉しいって感情どう伝えていいかわかんない。ずっと考えてるの私だけだったらって思ってたから、すごくうれしい」


 そう伝えると押し返そうとしてた力が緩まる。

 そして徐々に背中に腕が回って、優しくポンポンと背中を撫でてくれていた。

 その手は思っていたよりずっと優しくて、安心感のあるもの。


「…ごめん、いつも言わせてばっかで」


 小さな声で謝ってくれる蒼空くんに首を横に振る。

 考えてるって教えてくれるだけでこんなに嬉しいのに、謝られる必要なんて無い。

 やっぱりどこまでも優しい。不器用で時々わからなくなるけど、でもちゃんと想ってくれてた。

 少し体を離して見上げると、至近距離で目線が交わる。

 抱きつくなんて大胆な行為をしたくせに、急に恥ずかしくなってくる。

 このままキスまでされる…?

 そんな期待を持って見つめ合ったままどちらも逸らさない。

 ドキドキと緊張していると、額を軽くはじかれた。


「いたっ」


 何でこの雰囲気でデコピン…。


「せっかくの学祭なのに、思い出が屋上だけになるのもったいないでしょ。俺はいいけど、七瀬は楽しみにしてたんじゃないの」


 そう言いながら立ち上がって私に手を差し出してくれる。

 楽しみにしてた事ちゃんとわかってくれていて嬉しい。

 実は思いやりのあるそんな蒼空くんが好き。


「…好き」

「…はいはい、行くよ」


 蒼空くんの手を掴んで立ち上がると、そのまま離さないで繋いでてくれた。

 少しずつだけど進めてる気がする。
 本当焦れったくなるほどゆっくりだけど。

 もっと欲張りを言うと、そのうち君からの好きも聞けたらいいのに。

 なんて今よりもっと距離が近付くことを期待している。


 蒼空くん、もう少し欲張りになってもいいですか?