君との恋は面倒すぎる

 それから少し経過して、蒼空くんが迎えに来てくれた。

 急いで来てくれたのか、少し余裕の無さそうな表情をしてこちらに近付いてくる。


「蒼空くん…」

「…こっち」


 私の手を取ると、そのまま引っ張って歩き出す。

 こんな風に手を取ってくれるの初めてだ。
 どうしよう、こんなに嬉しいこと無い。

 いつも私が手を繋ぎたいって言わなきゃ繋げなかった。

 紗月や薫くんに言ったらそんなことで?って言われてしまうかもしれないけれど、私達の進みがゆっくりなだけあって一つ一つが特別で嬉しい。

 やっぱり好きだ、この手を他の誰かに握ってほしくない。

 蒼空くんが私を好きじゃなくても、私が彼女でいる限りは独占していられる。

 一緒にいるといつもいろいろな感情で苦しくなる。悲しいこともあるけれど、今は嬉しくて胸がいっぱいだから…​────。