君との恋は面倒すぎる

───Side 紗月


「あの2人さ、どう思う?」


 3年の教室でやっている飲食の出店で、2人で向かい合って座りながら、薫に日和と柊くんの話をする。

 こんなに真剣な話をしようとしているけど、薫のせいですごく目立ってしまって上手く話せない。こいつの顔が無駄に良いせいで良い意味でも悪い意味でも注目を浴びる。

 だから関わらない様にしていたのに、最近何かと日和にちょっかいかけてるから見てられなくて、最近3人で話すことが増えてしまった。


「…どう思うって、私達から言えることなんて無いでしょ。日和が付き合えただけでも幸せだって言うし」

「だけどさ、あんな片思いみたいなん可哀想だよ。日和ちゃんが我儘言えないのは蒼空のあの態度のせいだし。見てらんないんだけど」


 薫は元々こんなお節介な方じゃない。

 それなのに日和のことはやたらと気遣い、気にしてみている。

 そんな薫の違和感ある行動に、考えられる理由は…。


「薫、やめときなね」


 私の言葉に薫は肩を揺らす。


「付き合い長いからあんたのことそれなりにわかってるつもり。あんたはお節介焼くんじゃなくて距離を置くべきだと思うよ。それこそ3人共誰も幸せにならない」


 気付かない日和の代わりに、私がここで牽制をしておく。

 きっと気付いたところで日和は薫に対して何も言えないと思う。日和は優しすぎるから、付き合えはしなくても薫の気持ちを受け入れようとするだろうし、それで悩む。

 そして、その日和の優しさは時々、人を無意識に傷付けてしまう。

 それと私の私情もあったと思う。ようやく恋を実らせた日和の邪魔をしてほしくないと。これは勝手だし、薫に対して酷いことをしている自覚もある。

 少し後に出会い、好きになってしまったことに対して、諦めろと言っているようなものなのだから。