君との恋は面倒すぎる

「…日和さ」


 紗月が何か言おうとして、それから口を噤む。


「…紗月?」


 続きの言葉を待つも中々言葉として出てこない。

 普段はっきり話す紗月の、珍しい様子が気になってしまう。


「ううん、今言うことじゃないし日和も幸せなんだもんね」

「…うん、幸せだよ」


 微笑んでいってくれる紗月にそう言って笑うと前からクラスTシャツをきちんと着ている薫くんと蒼空くんが来る。

 そのような恰好でも相変わらず人の目を惹く2人で、主に女子の目をくぎ付けにしていた。


「あれ、2人今終わったの?俺今からなんだよねー」


 薫くんが私達に声をかけてきて、蒼空くんはその隣で何も言わない。


「てか蒼空午後からで良かったの?日和ちゃん午前じゃん」

「クラスで決めたことに俺達の事で変更なんてしてらんないでしょ。いいよ、このままで」


 蒼空くんの冷たい言葉にズキッとくる。

 そういう人って分かってたよ、ちゃんと。
 だけど少しでも悩んでほしかったっていうのは、期待のし過ぎなのだろうか。

 私と学祭楽しみたいって少しは思ってくれてたら良いのにって思っていたが、そんなことは望みすぎなのかもしれない。