君との恋は面倒すぎる

 放課後、帰り支度をしていると「日和ちゃん」と後ろから、男子の声が聞こえて振り返る。

 その相手は薫くんで、申し訳無さそうな表情をしていた。


「お昼…のさ、聞いてなかったとは言え、その、ごめん。酷いこと言った」


 そう言って頭を下げてくる薫くん。こんな律義に謝ってくれるなんてまさか思っていなくて少し驚いた。

 薫くんとあまり話した事が無いのもあって、どんな人か知らなかったし、実際そう思われても仕方がないと思ったのもあって傷付きはしたけれど、攻めるつもりもなかった。


「ああ!気にしないで、知らなかったら当然の反応だと思うから」


 目の前で手を振りながら笑って答えると、少しだけ安堵したような表情をしている。

 きっと昼休みから気にしていてくれたのだと思う。逆に申し訳ない気持ちになった。


「蒼空のそういう話本当聞かなくてさ、今までもしかしてずっと邪魔してた?」

「ううん、付き合ったのも本当最近だから私達も今は探り探りなの、だから邪魔とかそんなのないよ!」


 気を使わせて申し訳ないけど、本当昼しか一緒出来てないし、付き合ってるのかわからないくらい何もないからな。

 そう考えて苦笑いする。