君との恋は面倒すぎる

「本当そうだよね。あそこまで嫉妬しないと素直になれない蒼空くん。」

「何、生意気」


そう言いながら私の頬を軽く摘む。


「いっ!」


蒼空くんを睨みつけるために顔を上げると、その瞬間に軽く唇が重なる。


「…え?」

「あの日、キスしなかったから、リベンジ?」


そういたずらっぽい笑みを浮かべる蒼空くんに目が離せなくなる。

そうだったあの日、初めてキスされるかも?なんて思ったら飛んできたデコピン。

あの頃は触れるだけでも一苦労だった。


「で、次は?」


手を引きながら歩き出す蒼空くんと屋上を後にする。