「なんか寂しいね。制服着て会うの最後だと思ったら」

「そうだね」


隣を歩き始めると今や当たり前のように手を取ってくれる。

付き合いたて手を繋ぐだけでもあんなに苦労したのが懐かしくておかしくなってくる。


「何笑ってんの」

「付き合いたての時、手繋ぐのもあんなに苦労したのに今こんなに当たり前に繋いでくれるんだなって。」


そう言うと蒼空くんはふいと顔を前に向ける。


「そりゃ、いつまでも同じところで止まってないでしょ」


進むのはかなりゆっくりだったけど、私達らしい交際だったなって。

少し歩くと薫くんと紗月が待っている。


「おはよう、2人とも」

「朝からまあお熱いことで」


挨拶してくれる紗月と茶化してくる薫くん。

少し顔が赤くなったのは私だけだったけど蒼空くんは悪い?みたいな顔をしている