君との恋は面倒すぎる

いつかいつかとタイミングを伺っていたけど、すぐにその時は来てしまった。

お昼休み、早くいかなきゃと思うのに勇気が付いてこなくて、足も同時に止まってしまう。


「蒼空、学食行こう」


うじうじとしている間に、薫くんが蒼空くんをお昼に誘ってしまった。

まずい、お弁当渡せてないのに…。

ここで話しかけに行って良いのかな。

邪魔になっちゃう?

でも、作るって約束したし!

なんて葛藤をしながら勇気を出して、2人に近付く。


「そ、蒼空くん!」


蒼空くんも薫くんも私に顔を向けてこちらを見ている。

薫くんにも見られているのはかなり恥ずかしかったし、気まずかった。


「今、渡してもいいかな…。」


大きな声で蒼空くんの名前を呼んだせいで若干の注目を浴びてしまっている。

お弁当を出して手渡しすると「え?ガチ?」と引いたような声が聞こえてきた。