『へぇ、良かったじゃん』


夜スキンケアをしながら中学からの友人、鈴村(すずむら) 紗月(さつき)に電話を掛けて告白の報告をしていた。


「でも、でもさ、告白OKされた後一人で帰ったんだよ!?普通、「あ、じゃあ一緒に帰る?」「…うん」みたいな気まずさとかくすぐったさがあるもんなんじゃないの!?」

『何その想像、安っぽい茶番繰り広げるの止めてよ』

「ええ…」


辛口な紗月に何も返せなくなる。

連絡先は持ってるけど連絡はしたほうが良いのかな。

でも蒼空くんそんなに連絡取り合うの好きじゃなさそう。

なんて、蒼空くんの事がいまいち何も分からないままなので、こういう時どうしたらいいかも、何が嫌かも正解が分からないまま考えて時間だけが過ぎていく。


『明日聞いてみたら?彼女で良いんだよねって』

「もし違うって言われたらどうしよう!?」

『面倒すぎる!』


そうツッコまれてからも、そのまま紗月に遅くまで電話を付き合ってもらった。

まだまだ私は興奮と悩みと困惑で、眠れない夜を過ごす事になる。