君との恋は面倒すぎる

「俺、本当に気付いてなかったけど、抱き着かれて初めて日和が言ってた事が本当だったんじゃないかって思ってた。」


そう言う蒼空くんに少しだけ笑ってしまう。


「鈍すぎだよ。」

「うん、ごめん。本当に日和と島崎が仲良くしてくれてたらいいなって思ってた。薫と俺の時にそうしてくれたように」


私が茉莉ちゃんを大事だって言う気持ちをわかってくれたから全部どうにかしようとしてくれた行動なのも、友達が少なくて話せないから唯一話せる自分がって言うのも全部分かる。

蒼空くんのそういう優しい所が大好きだったから。

でも多分私は我儘だけど自分だけに優しくしてくれる蒼空くんが好きだったんだと思う。

他人にまで優しくする蒼空くんに嫉妬してたのかも。いや、してた。


「…茉莉ちゃんとの事、どうするの。」

「どうするも何も、もう日和が島崎と話したくないって思うなら俺はこれ以上島崎といる理由は無いから。それよりも、ごめん。もっとちゃんと話聞かなくて。今じゃ遅いこともちゃんと理解してる。」

「本当に、遅い。遅すぎる。」


謝る蒼空くんに私は悪態をついた。


「私の話を信じて一度は茉莉ちゃんを疑って欲しかった。それなのに私の話に聞く耳持たないで否定されたのどんなに悲しかったかわかる?」

「ごめん。」


申し訳ない気持ちではいてくれてるのか私の言葉に謝罪してくれる。