君との恋は面倒すぎる

放課後、帰ろうと机横の鞄に手を掛けた時だった。

その手を掴まれる。

びっくりして思わず肩を揺らすと、手を掴んできた本人は蒼空くんだった。


「びっくりした、どうしたの?」


バクバクと心臓が鳴っているけど平静を装って問いかける。


「…話せない?」


ああ、別れ話?

少し一息吐いて「…わかった」と呟く。

何かが終わりそうな時はいつだって怖い。

蒼空くんは私が逃げないようにか手を引いて1年の時よく使ってた空き教室まで来た。

始まったのも実際あの場所だったから。

終わる時も…なんて、まだ何も言われてないのにそんなことばかり考えてしまう。