君との恋は面倒すぎる

『明日頑張って作ったの持ってくから、楽しみにしててね。』


また意気込みを話す七瀬に少し口元が緩む。

俺のためにって一生懸命頑張ってくれるんだな。

可愛すぎてずるいな。

本人に可愛いの一言くらいスマートに言えたら良いのに、たったそれだけのことで緊張してしまうから何も言えない。


「…うん、ありがとう」

『ううん、また明日ね。おやすみなさい、蒼空くん。』

「おやすみ」


電話を切って、深く溜息を吐く。

俺だって、ずっと好きだよ。

告白だって俺がいずれって思ってたのに、何もかも先越される。

与えられてばっかの俺が君に何かあげられる時はいつ来るんだろう。