君との恋は面倒すぎる

職員室に向かったけど用事自体は急ぎでもかなり早く終わったので安心した。

職員室近くの階段から上がって一通りの少ない廊下を通って1度自分の教室を向かう時だった。

蒼空くんと茉莉ちゃんがいて、それも蒼空くんは抱きしめ返しては居ないものの、茉莉ちゃんが泣きながら抱きついてるのを見た。

その瞬間ショックとかよりも、ああ、やっぱりかって思ってしまって、もう何の感情もわかなかった。

ショックとかそんなのは自分の言葉が通らなかった時に充分受けたし、あれ以上のショックはない。

蒼空くんと目が合ったけど、私はふいと逸らしてその場に背を向けた。

こういう少女漫画みたいな展開をまさか自分で見ることになると思わず笑えてくるくらい。

驚くほどベタな展開。

狙ってたんでしょ、茉莉ちゃん。

そう思えば面白おかしくもなる。