君との恋は面倒すぎる

 約束のご飯後、洗い物も終えて暖かい飲み物を入れて2人でソファーに並んで座った時だった。

 日和はソワソワとしながら右手に何か持っている。


「…話って何?」


 雰囲気的に嫌な話ではないと思う。
 日和も暗そうな表情してたりはしないし。

 それでも大事な話だと言われた時は、いつも緊張する。


「これ、見て」


 そう言って前に出したのは細長い何かの検査薬のようなもの。


「…どういう意味?これ」

「妊娠検査薬。ここ、二本線入ってたら陽性って意味なんだけど」


 そう指を指しながら説明してくれる。


「…え?」


 確かにいつ出来てもいいとは思ってたし、その時が早く来て欲しいとも思っていた。だけどいざその時だって言われると、なかなか理解が追い付かなかった。


「これで私達もパパとママになれるね」


 そう笑いかけてくる日和を思わず抱きしめてしまう。

 この瞬間がこんなにも嬉しいことだなんて知らなかった。

 こういう時、気の利いた言葉を掛けたいのに何も出てこなくて、ただただ抱きしめる事しか出来ない。


「…蒼空くん?」

「こんな嬉しいって知らなかった」


 そう言葉にすると、日和は少し涙声で「うん」と返事をする。

 身体を離して頬に手を添えてそのままキスをする。

 こういう方法でしか伝えられないけど、俺なりの伝え方でたくさんの気持ちを紡いでいくから、面倒かもしれないけど、これからも隣で受け取っていて。




『結婚後の俺達』End.