君との恋は面倒すぎる

誰かが私の元に近寄ってくるとそっと頭を撫でる。

こんな事するの蒼空くんしかいない。

この優しい撫で方も間違えるはずがない。

隣の席から椅子を持ってくると、私の近くまで寄せて座る。

本当泣きたくなってくる。

こんなに蒼空くんのことで悩んでいるのに、優しく触れられたら好きだってなっちゃう。

会ったら好きだってなる。

だから苦しくても離れられなくて。

いっそ別れたほうがなんて考えもしてしまうのに、そんな考えが会ってしまえば一瞬で吹き飛んでしまうから。

久々に二人きりでこんな風に過ごす気がする。


「好きだよ、ずっと好き」


切ない声でそんなふうに言うから、蒼空くんも今たくさん悩んでると思う。

幸せになれる言葉も今はただただ苦しい。