君との恋は面倒すぎる

 中学一年生のまだまだ暑い日の夏、突然の出来事だった。

 体育館にいる先生に用事で、放課後に寄った時、綺麗に3Pシュートを決める蒼空くんを見た。

 蒼空くんは投げたボールの方をずっと見ていて、入る瞬間も喜ぶでもなく真剣な眼差しだった。

 冷静で、決して浮かれず、妥協をしない。

 そんな姿を見てから目が離せなくなって、ドリブルをして、コートを走り回ってる瞬間も、ボールを持ちゴールを決める瞬間もずっと見ていた。


(何あれ、格好良い…)


 最初は好きとかじゃなくて、格好いいなって思っただけ。

 聞くところに寄ると、蒼空くんは小学生の時からクラブに入っていたそうだ。通りでバスケが上手なはずだった。

 たまたま見ていたら蒼空くんがシャツで汗を軽く拭いながらこっちに視線をやる。


(やば、見すぎた…?)


 バッと目を逸らしてもう一度蒼空くんを見ると、もうこっちを見ていなかった。

 その日からだった気がする。
 どこに居ても、彼を目で追うようになっていたのは。

 同級生と話している瞬間も、給食を食べてる瞬間も、授業を受けている瞬間も、どんな瞬間も目で追うようになってしまうようになっていた。

 そんな時に席替えで隣になった。

 少し離れた席の紗月の方を見ると、紗月と目があって私の言いたいことがわかるのか「はいはい」と呆れたような表情をしている。

 こんな奇跡あっていいのかな…。
 これからは蒼空くん隣で眺め放題ってこと!?

 その当時の私はかなり浮かれていた。

 隣に座る好きな男の子は、頬杖を付いて教卓の方を見ている。

 そんな横顔も素晴らしく好きなのは、好きな人だから…?

 中学の三年間は、こんな感じでずっと見ているだけだった。