君との恋は面倒すぎる

───Side 日和


 五年後の春。

 私も仕事が慣れて、蒼空くんもシステムエンジニアとして働きだして慣れた頃、蒼空くんは定期的に在宅勤務もするようになっていた。

 職場でのチェックもあるから、毎度在宅というわけには行かないみたいだけど随分楽になったと喜んでいた気がする。

 一緒に暮らし始めて五年が経つけれど、私も順調に家事もできるようにもなり、分担がようやくきちんと出来るようになってきた。

 交際も順調に続いている。

 もう交際して十年になるしそろそろ考えても良い頃だよね。

 本当は大学卒業の時、なんて話もあったけど流石に現実的じゃないって話になって一旦話は流れた。それから話は出ないしタイミングもないからお互い話題に出さないけど、そろそろいいんじゃないかなって思ったりもするんだけど、蒼空くんはどう思ってるんだろう。

 家の鍵を開けると「ただいまー」と声を掛けながら中に入って靴を脱ぐ。

 蒼空くんも今切り上げたのか、仕事部屋の方から顔を出してくる。


「おかえり」


 仕事のタイミングで見れるメガネ姿が心臓に悪い。
 交際して十年経ってもうちの彼氏はあまりにも格好良すぎる。


「うっ…」


 胸を抑えて床に手をついて倒れ込むと、蒼空くんはいつもの発作が出たとでも言いたげに、呆れた表情で私の腕を引っ張って立たせてくれる。


「何やってんの。何年経っても…」


 そう言っても私を見る瞳は随分優しくてその顔にもキュンと来てしまう。いつもそんなに柔らかく笑う人じゃないのに、私の前だけでその表情見せてくれるから。そういうところが大好き。