君との恋は面倒すぎる

 時は流れて一年後、短大生二年の十二月。

 就職もとっくに決まっていて、後は卒業と地元に帰ってからの住まいなどをどうするか決めるだけだった。

 そう悩んでいる時に、ちょうど冬休みに入って蒼空くんがこっちに遊びに来ていた。


「三月に帰ってくるんだ」

「うん、その予定。四月一日には入社式だし。バタバタするかも」


 一人暮らし快適だし、実家に戻らず、このまま向こうでも一人暮らししてもいいけどなー、なんて悩んでいると蒼空くんが「あのさ」と口を開く。


「ん?」

「こっち帰ってきたら一緒に住まない?」

「へ?」


予想外の言葉が聞こえてきて思わず間抜けな声が出た。

 今なんて言った?

 数秒遅れて蒼空くんの言葉が入ってきた時に、現実的な問題を考え始めた。

 私も社会人になるし生活費はなんとでもなる。
 だけど大学生の人と同棲は現実的なのかな。

 でも同棲しようって言ってくれた気持ちはすごく嬉しくて、同棲したい気持ちもすごくある。

 このまま浮かれて同棲しようって決めてしまっても良いんだろうか。

 悩む私に、蒼空くんは私の手をつかんでくる。


「というか俺その場のノリで決めた気無いから」

「え?」

「遠距離になる時から決めて、そのために貯金もしてたし、日和だけに負担かける気とか無い」


 ちゃんと考えていてくれたことが嬉しくて、泣きそうになる。

 付き合ってその頃には五年位になるし、中途半端なことする人ではないって分かってる。

 私が不安になることも理解した上で、色々考えてくれたんだと思う。

 一緒に居れる方法もたくさん考えてくれて、こんなに嬉しいこと無い。


「本当に大変じゃない?今急いで同棲しなくても卒業してからでも…」

「卒業したらまたその次にも進むように考えていきたいんだけど」


 思わぬ言葉の連続で驚きが止まらない。

 次にも進むようにって…。

 そう言われた時に、結婚のことがちらついた。


「む、無理。情報過多…」


 私の反応に楽しそうに笑っている。

 その笑顔は好きだけど同じように笑い返すことが出来ない。

 嬉しさとか色々な感情で涙が溢れて止まらなくなる。

 そんな私の隣に座って頭を肩まで引き寄せて優しく撫でてくれた。

 言葉は少ないのに時々こうして伝えられるのも、行動で変わりに示してくれるのも全部好きだ。不安とかも全部吹っ飛ばして、ずっと傍に居たい。この人とならどんなこともきっと乗り越えていけると思うから。