君との恋は面倒すぎる

 運転している蒼空くんは改めて見ても、何だか不思議な感じで、それと同時に格好良すぎてスマートフォンのカメラのシャッターが止まらない。


「撮りすぎ」


 あまり普段写真撮らせてくれないけど運転中で抵抗されないのを良いことにここぞとばかりに写真を撮影していると、さすがに呆れながらツッコまれた。


「うちの彼氏、格好良すぎでは!?」

「落ち着いて」


 興奮気味の私を制しながらも、目線は前を向いている。

 運転する彼氏私得でしか無い。


「てかどこか行きたいところとかは。明日は鈴村と会うんだっけ」

「そう!紗月と会うのもめちゃめちゃ久しぶりかも」

「…そう」


 何だか意味ありげな間が空いていたけど特に何も言わずに居た。


「そういやこの後も長く一緒に居られるんだよね?」

「ああ、そろそろチケット取らないと」


 今回の帰省は一週間ほどだけど、その後帰る時に一緒に蒼空くんも一緒に来てくれる流れになっている。

 夏休み中は一緒に居てくれるらしくて初めて長くの時間を一緒にいることになる。


「そんなんプチ同棲では…」

「…俺それツッコんだほうがいいやつ?」

「はっ」


 考えていたことがそのまま声に出ていたらしくて蒼空くんは若干呆れている。かなり浮かれているのも止められない。

 帰省の間は夜は別々だけど、向こうに行けば私の家に蒼空くんがいるわけで向こうを出てくる前にかなり気合い入れて掃除してきたし、バイトも休み取れたし。

 蒼空くんの職場もだけど夏休みの間の一ヶ月間ほど休みをくれているので、かなり寛容なバイト先だと思う。


「かなり浮かれちゃってるかも。嬉しい、こんなに長く一緒なの」


 素直に伝えると蒼空くんは少し照れくさそうな表情をしている。


「君、本当よく素直にそんなこと…」


 時々照れてくれるその顔がいまだに好きで、三年と少し付き合ってから時間が経つのに、まだそんな顔見せてくれるんだって。

 普段はわかりにくく、感情が表情に出るタイプではないけど、だからこそ顔に出ている時がすごく好きだったりする。

 やっぱり会わないとこの時間だけは手に入れられないから。電話でどれだけ声を聞いても言葉をもらっても、一番蒼空くんの感情を見ていられるのは会った時だけ。