君との恋は面倒すぎる

「何で!?いつの間に!?」


 私の驚きを見て少し満足したのか、笑って「驚かせたかったから?」なんて悪戯っぽい笑みを見せてきている。

 こんなサプライズがあるなんて、思っていなかった。

 彼氏の運転の助手席に座れるなんて、地味に夢の一つが叶おうとしている。


「ほら乗って」


 そう言いながら私を助手席に案内して、ドアを開けると乗り込むように促す。

 格好良すぎでは…?

 ドアを開けてくれた蒼空くんを見ていると、乗らないの?と言いたげに首を傾げている。

 こんなシチュエーションを体感できるなんて思っていなかったから感動した。

 助手席に乗り込むと、丁寧にドアを閉めてくれる。

 運転手席に乗り込む蒼空くん。改めて本当に運転するんだなと思うと、何だか不思議な感じだった。


「いつから取りに行ってたの?」

「四月入ってからかな。結構無理して通ったから時間かかったけど」


 一年の大学生にそんな時間を作るの大変だったと思う。

 そんな彼を見ていて目が合うと、ふと急に近付いて来る。

 え、急に車内でキスされる!?
 それは流石にレベル高くない!?

 反射でギュッと目を瞑ると、私の左上にあるシートベルトを引っ張る。

 ちゃんと状況を理解するとホッとしたようながっかりしたような、そんな感覚。


「何期待してんの?」


 そう言って少し笑い、頭を撫でてくる蒼空くんに顔が熱くなる。

 きっと今の私は頬が赤くてとてもじゃないけど、人に見せられる顔じゃない。


「し、してない!」

「そう、じゃあとりあえず家に向かうから」


 そう言うとゆっくり発進していく。