君との恋は面倒すぎる

 夏、私は地元に帰省していた。

 その日蒼空くんが迎えに来てくれるという話を聞いて、父の車での送迎を断っていた。

 もう着いてるって聞いてたけど、どこにいるんだろう。

 周りを見渡すと、蒼空くんらしき人は見当たらない。

 まだついていないのかな。

 そう考えていると後ろから肩をトントンと叩かれた。

 叩かれた方向を見ると四ヶ月ぶりに会う蒼空くんで、顔に一気に熱がたまる。これは暑さのせいなんかじゃない。


「久しぶり」

「ひ、久しぶり!」


 ぎこちない挨拶を返すと、持っていた荷物を自然と取って持ってくれる。

 思わず「あ!」と大きな声が出る。


「大丈夫だよ!?重くない!?」

「日和より力あるし俺は荷物ほぼ無いからまかせて」


 そう言いながらもう片方の空いている手で私の手を掴んで歩き出す。


「こっち」


 蒼空くんに引かれるがままそちらに向かって歩いていく。

 久しぶりに感じる手のぬくもりに少しドキドキしてしまっていて、緊張もしている。

 前よりも手が大きくなった気がするのは気の所為?

 久しぶりに握るから錯覚してるのか何なのかもうわからない。


「というか蒼空くん、こっちバスのほうじゃ…」

「バスじゃないからね」


 向かっているのは駐車場だ。理解が追いつかない。

 そのまま一台の白い車の方まで向かって歩く蒼空くん。


「え、待って待って。どういう事?」


 鍵を慣れたように開け、私の荷物をトランクを開けて詰め込む。

 それからトランクを閉めると、私の方へとようやく視線を向ける。


「乗らないの」

「え!?」


 免許を取っていたなんて話聞いてない。

 何か忙しそうだなとは思っていたけど、知らない間に免許取ってたとか、想像もしていなかった。