君との恋は面倒すぎる

───Side 蒼空


家で音楽を聞きながら、課題に手を付けていた時だった。

ふと七瀬の顔が思い浮かんだ。

顔が思い浮かぶ事もこうして考える事も珍しくはない。

中学から一緒で、1年と3年のクラスが一緒で、まさか高校も同じでまた同じクラスなんて思ってなかったし。

少し考え事をしていると七瀬先輩、つまり七瀬の兄から電話がかかってくる。

彼女であるはずの七瀬から連絡はそんなに来ないのに、兄から来るって何事なんだろう。

彼女からの連絡は«蒼空くんの好きなの頑張って作るね»で終わっている。

昨日、告白されてOKしたのに動揺しすぎて置いて帰ってしまった。

というか昨日一緒に帰るのは無理だった

理由は、単純に俺も七瀬が好きで、多分浮かれていたから。


「(あんな可愛いとかずるいでしょ…。)」


告白、嬉しかったのに、いいよしか言えなくて挙句の果て置いて帰るなんて。

昼間だって、話しかける時だって全部七瀬にさせてしまった。