君との恋は面倒すぎる

 それから一ヶ月後の春うららな四月。

 入学式はこっちは終わらせてたんだけど、今日は蒼空くんと薫くんが入学式だそうな。

 朝学校で頬杖を着きながら、参考書を見ていると、スマートフォンが光る。

 薫くんから?珍しいな。

 通知をタップして開くと蒼空くんとツーショットで笑顔で写っている薫くんの顔があった。

 蒼空くんは不意打ちだったのかいつもの真顔の表情で、カメラの方を見ている。

 スーツ…!!!!!!それに、ネクタイ…!ネクタイは誕生日プレゼントに渡したものを着けてくれている。

 大学生でスーツ着る機会今はそんなに無いし、蒼空くんが用意したネクタイもあるだろうから、着けてもらえないかもなんてダメ元で渡したネクタイは、蒼空くんの首元できちんと締められている。

 この色が絶対似合う!なんて紗月に力説したけど本当に似合っている。

 朝から尊いものを拝ませてもらった、とスマートフォンを机の上に置いて拝む。


«朝から蒼空くんの尊い姿ありがとう»


 そう送り付けるとすぐさま薫くんから«俺は?»と返信が来ていた。


«笑»


 返事を送りそのままスマートフォンの画面を閉じる。

 相変わらずな薫くんに少しだけ懐かしくなって思わず笑ってしまった。

 これからは写真でしか簡単には姿を見られなくなるんだな。

 蒼空くんのスーツを着た姿を初めて見た。
 二週間前くらいまで会ってたはずなのに既に寂しいな。

 自分の夢のためとはいえ、それとこれは別で、もう既に会いたいなんて、ここから2年耐えられるのか。

 蒼空くんも寂しいって思ってくれてたらいいのに。

 私が寂しいと思う理由の中に地元から一人離れて周りにまだ友人もいないからとかもあったと思う。

 好きなことを、夢の為に学びに来ているはずなのに、随分と自分の心は我儘で、自分で決めたはずの事なのに、この状況を受け入れられずにいた。