君との恋は面倒すぎる

「蒼空くんが呼べって言ったのに!」


 ひとしきり笑うと、私の方を向いて「可愛いすぎてびっくりした」なんて言ってくるから本当にずるい。

 今日一日一緒に居てずっと甘くて胸が苦しい。


「先髪乾かしてくる。眠たかったら先寝てて」


 そう言って優しく髪を撫でてくれた後、洗面所の方に向かっていく。

 もしかしたらすごく緊張してたから気を紛らわすためにしてくれたのかも知れない。そういう所が、本当に優しいと思う。

 ベッドの中に入り、蒼空くんを待っていると、髪を乾かした蒼空くんが戻ってくる。

 さっきまで点いていたテレビを消して、蒼空くんがもう片方の空いてる方のベッドに入っていく。

 今日は、一緒に寝ないのかな。

 そんな違和感を抱えたまま、彼を見ていた。


「電気消すよ」


 そう声を掛けてくる蒼空くんに「ちょっと待って!」と声を掛けると顔がこっちに向き、首を傾げている。


「…一緒に、寝ないの」


 せめて誕生日になる瞬間は抱きしめ合って寝ていたい。

 そんな思いで、羞恥心はあったが必死に問いかける。


「…無理」


 明らかな拒絶に、ショックを受けた。

 今までこんな拒絶のされ方したこと無い。


「何でそんな緊張してるくせに煽ってくんの、それ無意識?」


 蒼空くんの困惑した声に、泣きそうになっていた涙が引っ込む。


「へ?」

「君が良いって言うまで我慢するつもりだったんだけど。添い寝だけとかそんな自信ないし…。そういうつもりがないなら、今日は別々にして」


 そう言って背を向けてしまう蒼空くん。

 私が緊張してたから今日は触れないようにしてたってこと?

 蒼空くんの言葉を無視して、蒼空くんのベッドに入り込む。


「ねぇ、話聞いてた?」

「聞いてた。でも、きっかけがないと絶対今後同じことの繰り返しになる」


 そう言うと、蒼空くんの身体がこっちにむく。


「本当、人がずっと我慢してたのも知らないで。君に振り回されてばっかで困る」

「じゃあお互い様?」


 そう言うと二人で笑い合って蒼空くんが私の頬に優しく触れる。そのまま至近距離で見つめ合うと、確かめるようにそっとキスをしてくる。

 遠距離になる前に少しでも長く触れていて欲しい。



────もうこれ以上は私も待てないから。