君との恋は面倒すぎる

「こうやってどこか寄るの久しぶりだよね」

「そうだね、最近避けててごめんね」


 はっきり避けていたと口にすると、茉莉ちゃんの傷付いた顔が目に入る。

 もうごまかしきれないと思った。
 これ以上曖昧な言葉で、関係を繋ぐのも限界だった。


「…何で?」

「茉莉ちゃん、蒼空くんの事好きだよね?」


 もう遠回しの言葉は必要ない。

 今ここで認めてくれたらそれでいいから。私もそれは黙って受け入れるから、ちゃんとそうならそうと認めてほしい。

 そう願って単刀直入に口にした。


「何でそう思ったの?」

「あれだけ男の子苦手だって言う割に、蒼空くんとは楽しそうに話すし、いつも目で追ってるよね?蒼空くんのこと話す時も楽しそうに話すよね」


 そう思った理由を簡潔に伝えると、次第に涙目になっていく。


「そんな…、私日和ちゃんと仲良くしたくて蒼空くんに相談してただけだったのに、…酷いよ。私が日和ちゃんから蒼空くんを取ろうとしたって言いたいの?」


 その瞬間、何かが粉々に割れた音がした。

 ああ、もう無理だ。

 私は少しだけ笑みを浮かべると、席を立ち上がる。


「そっか…、ごめんね。でも、私もう茉莉ちゃんと友達だって思えない」


 私が酷い女だって言うならそう言えば良い。
 蒼空くんにだってそう言いふらせば良いよ。

 何を言われても、私の気持ちは変わらない。


「何でそんな事言うの!?」

「うん、ごめんね」


 それだけ言ってお店から出ていく。

 正直に言ってほしかった、好きになっちゃったって。

 蒼空くんを好きになっちゃう理由は私が一番わかるし、好きになることだって、仕方ないって思った。

 だけど茉莉ちゃんはそれも隠して、私のせいにすらした。
 もう何も、彼女のことは信じられない。