君との恋は面倒すぎる

 スマートフォンの画面が再度光ると、通知は蒼空くんからだった。


«今、島崎から聞いた。大丈夫なの»


 蒼空くんの名前から頻繁に茉莉ちゃんの名前が出るようになっただけでモヤモヤしてしまう。


«大丈夫だよ!»


 いつも通り返事をして、また画面を閉じて…。

 面倒くさい、このまま午後、初めてのさぼり。

 サボったことなんて無いけど、学校生活で一度くらい良いんじゃないかって思う。今日だけは自分を甘やかしてやりたい。

 机に突っ伏してそのまま寝てしまおうと目を閉じると誰かが入ってくる気配がした。

 この教室、使う人いたんだ。
 今は私が寝てますのでお引き取りください~、なんて心の中で訴えた。

 窓から差し込む陽の温かさが気持ちよくて起きれない。
 冬でも陽の光は温かい。大好きだ、この温かさ。

 誰かが私の元に近寄ってくるとそっと頭を撫でる。

 こんな事をするのは蒼空くんしかいない。

 この優しい撫で方も間違えるはずがない。

 隣の席から椅子を持ってくると、私の近くまで寄せて座る。

 本当に、泣きたくなってくる。

 こんなに蒼空くんのことで悩んでいるのに、優しく触れられたら好きだってなっちゃう。会っただけでも、好きだってなる。だから、苦しくても離れられなくて。

 いっそ別れたほうがなんて考えもしてしまうのに、そんな考えが会ってしまえば一瞬で吹き飛んでしまうから、別れられるわけがない。


「好きだよ、ずっと好き」


 切ない声でそんなふうに言うから、私までも苦しい。

 蒼空くんも今たくさん悩んでると思う。

 幸せになれる言葉も、今はただただ苦しい。