君との恋は面倒すぎる

 紗月と進路指導室で一緒に色々見た後、久しぶりに一緒に帰る。

 そのつもりで生徒玄関に二人でむかったのだけど、見慣れた2人の姿があって、その2人は薫くんと蒼空くんだった。

 何か気まずいかも…。

 そう思いながら顔を俯かせ、下駄箱に向かうと薫くんがこちらに向かってくる。


「紗月、今日は俺と帰んね?」

「えっ」


 紗月よりも先に私が、薫くんの言葉に反応してしまった。

 紗月は無表情で薫くんを見て「ああ、そういうこと」と呟く。私よりも少し身長の高い紗月の顔を見て首を横に振ると、紗月は少し困った顔をしている。


「…日和、行っといで」

「ええ!?」


 そう言って私の背中を押す。

 紗月の裏切り者…!


「日和」


 蒼空くんから名前を呼ばれて肩が震える。

 そうやって名前を呼ばれるのは弱い。

 蒼空くんの方を見ると、まっすぐこちらを見てきている。


「一緒に帰りたい」


 そんな甘えるような言い方普段しないくせに…、ずるい。

 そう言われれば、おとなしく靴を履き替えて蒼空くんの隣に並ぶ。


「…帰る」


 なんだかんだ蒼空くんが好きなんだからもやもやしても、本人にそう来られたら、ずっとは突き放せない。

 いろいろ気持ちの整理がついてから話そうと思っていたのに、私の意思も中々に弱い。